レポート:中止となったドコモ「iPhone 6s」事前予約に成功、その裏側。

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本日、NTTドコモが一度は正式に案内していた、Appleの新機種「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」の事前予約を直前で中止するという珍事があった。本件について、筆者の体験と関係者の話を交えながら、想像上の話をまとめてみたい。

 

予約の「事前予約」

Appleの発表では、9月12日(土)から予約受付を開始して同25日(金)から発売するというスケジュールのiPhoneの新製品だが、ドコモはその発表の数時間後に「9月10日午後2時から予約の事前予約を受け付ける」との案内をメディアとユーザーに流した。KDDIやソフトバンクが12日から予約受付を開始すると発表するなか、完全に前倒しの予約だった。

ヨドバシカメラやビックカメラなどの家電量販店も、事前にドコモから案内されていたスケジュールに合わせて、10日午後2時から事前予約をオンラインと店舗で受け付けると案内した。ところが、午後2時になってもページは更新されず、予約のリンクをたどっても「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」といった旧モデルしかリストアップされない状態が続いた。

その後、午後2時30分ごろ、ある家電量販店のウェブサイトには「現在NTTドコモ側の準備が遅れている状況です。お客様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、今しばらくお待ちください。」と案内が掲載され、ドコモ側の問題であることを強調しつつ、対応に追われていた。

 

中止となった事前予約

それから1時間も経たない3時過ぎ、ドコモの広報経由のコメントや量販店のウェブサイトにて「事前予約の中止」が伝えられるようになった。また、夕方になりドコモも二転三転を説明するため、ホームページにお知らせを掲載し「弊社側の準備が整わなかったため、見送りさせていただくことになりました。」と陳謝した。

「準備」というワードが飛び交っているが、準備とは一体何を指しているのだろうか。実は、事前予約が始まる2時間前に産経新聞が掲載した『新型アイフォーン、ドコモが勇み足?「予約の事前登録」発表の3時間後に“延期” 携帯大手3社の予約は12日』という記事にある程度の解がある。

ドコモによると、アップルとの調整は続いており、10日正午時点で「実施日時は未定だが、まだ事前登録ができる可能性はある」としている。

そこには「Appleとの調整が難航している」ことが説明されている。つまり、最終的に整わなかった「準備」とは、事前予約という抜け駆けをめぐるAppleとの水面下の調整であり、結果的にドコモは交渉に敗れ、撤回せざるを得ない状況に陥ったということだ。

 

店舗でまさかの予約完了

ところが、筆者はドコモの「iPhone 6s」を「事前予約」することに成功した。

流れはこうだ。午後2時を過ぎてもウェブの予約がなかなか始まらないことに業を煮やして、家電量販店を観に行った。店頭には即席のカウンターが用意されており、スタッフは「ドコモのiPhone 6s、予約受付開始」と連呼していた。予約をお願いすると店舗かウェブ経由で可能だと案内されたが、その時点でウェブがオープンになっていないことは分かっていたので店舗対応を期待してみた。

筆者よりも前にも手続きをしている人がいて、後ろにも予約を待つ列が続いた。順番が来て「機種変更」「電話番号」「iPhoneのモデル」「容量」を告げるとすぐに事前予約が完了した。ドコモが発行する「商品予約受付表」を受け取り、「iPhone 6s 64GBセット<ローズゴールド>」を「商品予約(既設)」種別で予約完了した。

事前予約をすると12日の本予約開始時に自動的に予約が完了する、という説明だったが、おそらくそれは建前で、実際はこの事前予約こそが、他キャリアでは12日午後4時1分から始まるiPhoneの本予約と同じだと筆者は考えている。

 

予約可能なシステム

先の経過の通り世間的には「結局開始されず中止」扱いな事前予約だが、筆者を含めて実際に完了した人がいる。ならば、どうしてこのような事態になったのだろうか。関係者に話を聞くと実は想定可能な状況であることが見えてきた。

家電量販店のオンラインページにある「ドコモの事前予約」を試すとわかりやすい。実際の予約はドコモのウェブ上にジャンプして行うことになり、販売店はあくまで受け取り店舗としてリンクを案内しているに過ぎない。ということは、先の産経新聞の記事の通り、午後2時の時点でドコモはAppleと依然調整中で「準備が整っていなかった」ために、ドコモ側がページを公開せず、結果としてユーザーは予約手続きを行えなかったことになる。

一方、店舗でのオペレーションはどうだろうか。事前予約の際、店舗側はドコモの顧客情報管理システム「アラジン」を操作することになるが、どうも午後2時の時点でアラジンにはすでにiPhone 6sシリーズが登録されていたようだ。

そのため、午後2時からの事前予約をドコモからの要請で用意していた販売店にとって、たとえオンライン側が開始できていなかったとしても、少なくとも来店したユーザーの対応に支障がでることはない。「何かオンラインがトラブっているけど、いずれ開始されると書いてある。ここではアラジンを手順通り操作していくと予約完了まで進めるからシステム的にも大丈夫」こんな感じだったはずだ。

その後、販売店にも代理店などを通じて「受付中止」のお達しが来て、正式に中止を案内し始めたようだった。

ある販売店関係者は「システムに機種が登録されてさえいれば、事前予約はいつでも可能」という。そもそも事前予約はドコモが他のスマートフォンの発売時にも提供しているサービスで、今回の場合、当初予定が午後2時からと案内されていた販売店にしてみれば、その日時以降は疑いもなく予約を取ることができるのだ。

また、別の関係者はiPhone 6sシリーズの予約について「現在でもシステム上は予約可能」としつつ、ドコモが他キャリアと同じ12日午後4時1分からの受け付けに方針変更したため「実際にそのようなオペレーションを行うことはできない」と説明した。

 

予約開始は12日午後4時1分から

筆者の場合、15時過ぎに店舗にて予約受付が完了しているが、この予約がキャンセルされないか不安に感じたため、当該店舗に確認したところ「分からない」と曖昧な表現だった。ただ、事情に詳しい人の話によると、一度システムを通った予約がキャンセルされることは考えづらいとのことで、さらに筆者のような機種変更の場合、電話番号に事前予約の機種が紐付くため尚更とのことだった。

「ドコモの勇み足」なゴタゴタ感満載の9月10日はともかく、最終的には9月12日午後4時1分から3キャリアとAppleで予約が開始される。現実的な話として、今のうちに機種変更の電話番号や名義などの契約状況、希望モデルや購入方法などを定めていたほうがいいだろう。

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About Author

Ryu

RINGO-SANCO オーガナイザー。ガジェット好き。携帯電話を専門に、Appleのスマートフォン戦略やその他のメーカーの動向を追いつつ、様々なスマートフォンをレビュー。ポッドキャスト「ミリオン・ドッツ」メンバーも務める。

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